
キッチンカーを開業して、多くの人が最初にぶつかる壁が「どこで売るか」です。車を用意して営業許可も取ったのに、肝心の出店先が決まらない。ここでつまずく人は少なくありません。
出店場所の探し方を説明した記事はたくさんありますが、「実際に募集があるのはどんな場所なのか」まで数えたものは、ほとんど見あたりません。
そこでこの記事では、出店コネクトナビに掲載中の募集案件を数えました。2026年10月17日時点で募集中の129件が、どんな場所で、どんな条件かを1件ずつ分類したものです。
先に結論です。
- 募集の91%は「常設」。毎週・毎月くり返し出られる場所が主流
- 場所の内訳はスーパー・商業施設・学校で9割を占める
- イベントの募集は5件(4%)だけ。花形に見えるが、上位3つとは桁がひとつ違う
- 探し方は6通りある。ただし開業直後に現実的なのは2つ
【実データ】いま募集がある場所はどこか
2026年10月17日時点で募集中の129件を、場所の種類で分けました。
| 場所の種類 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| スーパー・食品店 | 64件 | 50% |
| 商業施設・モール | 29件 | 22% |
| 学校・専門学校・大学 | 23件 | 18% |
| イベント・お祭り | 5件 | 4% |
| オフィス・事業所 | 4件 | 3% |
| ゴルフ場・レジャー施設 | 2件 | 2% |
| その他 | 2件 | 2% |
上位3つで90%。 スーパー・食品店の64件には、2026年10月17日にまとめて掲載したドン・キホーテ系列の店舗(MEGAドン・キホーテ・ピカソを含む)の28件が入っています。キッチンカーというとイベント出店を思い浮かべがちですが、実際に募集が出ているのはスーパーの駐車場、学校の構内、商業施設の一角です。
募集の91%は「常設」
さらに大きな違いがあります。129件のうち、
- 常設(毎週・毎月くり返し出店できる)… 118件
- 単発イベント … 11件
9割が常設です。 1回きりのイベントを探し続けるより、くり返し出られる場所を1つ押さえるほうが、募集の数のうえでも近道になります。
常設には、売上の面でも利点があります。同じ場所に通えば顔を覚えてもらえるので、2回目・3回目と売上が伸びていきます。イベントは毎回ゼロからのスタートです。
地域によって募集の数はかなり違う
募集中129件を都道府県で分けると、こうなります。
| 都道府県 | 募集中の件数 |
|---|---|
| 東京都 | 31件 |
| 神奈川県 | 28件 |
| 千葉県 | 24件 |
| 埼玉県 | 17件 |
| 茨城県 | 17件 |
| 愛知県・群馬県 | 各3件 |
| 栃木県・大阪府 | 各2件 |
| 兵庫県・宮城県 | 各1件 |
首都圏に集まっていますが、茨城県が17件と、埼玉県と並ぶ点は見落とされがちです。地方でも、スーパーのチェーンが複数店舗をまとめて募集していると、一気に選択肢が増えます。自分の県だけで判断せず、隣接県まで広げて探すと候補が変わります。県境を越えるときは、出店先の県でも営業許可が要るかを先に確かめてください(キッチンカーの営業許可は複数県で要る?)。
出店場所を探す6つの方法
ここからは探し方です。それぞれ手間と成功率が違います。
方法1:マッチングサービスを使う
出店場所を探している施設と、出店したいキッチンカーをつなぐサービスです。掲載されている条件(出店料・曜日など)を、問い合わせる前にまとめて確認できるのが、他の方法との決定的な違いです(出店料は無料の会員登録後に表示されます)。
自分で探して交渉する方法は、どれも「連絡先を調べる → 話を聞いてもらう → 条件を詰める」という手順を毎回くり返します。開業したばかりで実績も人脈もない段階では、ここで止まります。
出店コネクトナビで募集中の案件は、キッチンカーの出店場所の一覧で都道府県・場所の種類ごとに見られます。サービスどうしを比べるときに見る項目はキッチンカーのマッチングサービスを比較する8項目にまとめました。
方法2:施設に直接交渉する
スーパー、ホームセンター、商業施設に自分で持ちかける方法です。うまくいけば競合が少なく、条件も直接決められます。
窓口は店舗ではなく本部の担当部署であることが多く、店長に話しても決まらないのが普通です。チェーン店ほど本部の判断が要ります。 実績(過去の出店写真、保健所の許可証、保険の加入証明)をまとめた資料を先に用意しておくと話が早く進みます。駐車場や空き地など私有地の持ち主に持ちかけるとき、誰の承諾があれば売れるかはキッチンカーの私有地出店に書きました。
方法3:イベント主催者に応募する
お祭り、音楽フェス、マルシェ、スポーツ大会などです。1日で普段の何倍も売れることがあり、キッチンカーの花形と言われます。
ただし先に見たとおり、募集の数は上位3つのどれと比べても4分の1に満たない(129件中5件)というのが実情です。人気イベントは応募が集中し、選ばれるにはメニュー写真や実績の見せ方が要ります。イベントだけを狙うと、出られない週が続きます。
方法4:公園・道の駅など公共スペース
自治体が管理する公園や広場です。休日は家族連れが集まり、客層も幅広くなります。
手続きに時間がかかる点は覚悟が必要です。都市公園での営業には占用許可などの申請が要り、名称も条件も自治体ごとに違います。人気の公園は抽選になることもあります。管轄の役所か公園事務所に、出店したい日の数か月前に問い合わせてください。公園の許可の考え方と、このサイトに掲載した公園の催しの実例はキッチンカーの公園出店に要る許可にまとめています。
方法5:オフィス・事業所に入る
平日のランチを狙う方法です。働く人は短時間で食事を済ませたいので、キッチンカーと相性が良く、従業員数からおおよその食数が読めるのも利点です。
福利厚生としてキッチンカーを呼ぶ会社が増えています。窓口はビルの管理会社か、企業の総務です。このサイトに出た企業の募集は、都心の路上ではなく、企業の敷地の中で社員に売る形でした(キッチンカーでオフィス街に出店するには)。
方法6:SNS・同業者のつながり
「あの場所が空いた」「このイベントが募集している」という話は、実際にキッチンカー仲間のあいだで回っています。SNSで出店情報を発信していると、施設側から声がかかることもあります。
ただしこれは実績ができてから機能する方法です。開業当初から当てにはできません。まず1〜3で実績を作り、そこから広げるのが順序です。
開業直後に現実的なのはどれか
6つ挙げましたが、始めたばかりの人が最初の1か所を決めるなら、方法1と方法2の2つです。
方法3(イベント)は募集の数が少なく、方法4(公園)は手続きに数か月かかります。方法6(つながり)は実績が前提です。最初の出店を待っているあいだにも、車の維持費はかかり続けます。出店先が決まらないまま運転資金が尽きるのは、開業でよくある失敗です(キッチンカー開業で失敗しないための5つのコツ)。
現実的な進め方はこうです。
- 常設の募集に応募して、まず1か所を確保する(募集の91%はここ)
- その場所で2〜3回出て、自分のメニューが1日何食売れるかを記録する
- 数字が見えたら、出店料の条件で場所を選び直す(出店料の相場はこちら)
- 平日は常設、休日はイベント、と組み合わせて営業日を埋める
平日に入れる場所はキッチンカーの平日の出店場所に、応募で選ばれるための準備は出店依頼をもらうにはにまとめています。
順番が大事です。売上の見込みが立たないうちに条件の重い場所を取ると、天候が崩れただけで赤字になります。
なお、応募にはプロフィールの必須項目の入力が、選ばれるには書類が要ります。 営業許可証やPL保険の証券など、必須の書類にはそろえるのに時間がかかるものもあります。良い募集が出てから慌てないよう、先に通しておくのが確実です(キッチンカーの出店に必要な書類)。
場所の種類ごとの向き・不向き
| 場所 | 向いているメニュー | 気をつける点 |
|---|---|---|
| スーパー・食品店 | 惣菜、弁当、パン、スイーツ | 夕方の買い物客が中心。生鮮売り場と競合しない品ぞろえに |
| 学校・専門学校 | ランチ、丼もの、麺類 | 長期休みは客が消える。学事日程の確認が要る |
| 商業施設・モール | スイーツ、ドリンク、軽食 | 集客力は高いが条件のハードルも高め |
| オフィス・事業所 | ランチ、弁当 | 平日昼のみ。食数が読みやすい |
| イベント | 見た目のよい単価の高いもの | 1日勝負。仕入れの読みを外すと損失が大きい |
自分のメニューがどの客層に向くかで、狙う場所は変わります。同じ場所でも、売れるメニューと売れないメニューがはっきり分かれます。ほかの店が何をいくらで出しているかは、登録メニューを数えたキッチンカーの人気メニューで確かめられます。
選んだあとは「試して記録する」
どれだけ考えても、実際に出てみるまで分かりません。2〜3回出たら、次の3つを必ず記録してください。
- 1日に何食売れたか(時間帯ごとに分けられるとなお良い)
- 売れたメニューと、売れ残ったメニュー
- 天気と気温
3回ぶん並べると、その場所の実力が見えます。記録がないと、良い場所を「たまたま悪かった日」で切り捨ててしまいます。 逆に、合わない場所にずるずる通い続けることも防げます。
よくある質問
キッチンカーの出店場所はどうやって探すのが早いですか?
マッチングサービスで常設の募集に応募するのがいちばん早いです。条件を確認したうえで応募でき、施設の窓口を自分で調べる手間がかかりません。募集の91%は常設なので、選択肢も多く残ります。
イベント出店から始めるのはどうですか?
おすすめしません。募集中129件のうちイベントは5件(4%)で、常設118件に対して大きく少ないためです。応募も集中します。まず常設で実績と売上の記録を作り、そのうえでイベントに応募するほうが通りやすくなります。
出店場所はどんな種類が多いですか?
2026年10月17日時点では、スーパー・食品店が64件、商業施設が29件、学校・専門学校が23件で、この3つで全体の90%を占めます。公園や道の駅は、募集としてはほとんど出てきません。
地方に住んでいますが、出店場所はありますか?
募集は首都圏に集まっていますが、茨城県で17件と、埼玉県と同じ数の例もあります。スーパーのチェーンが複数店舗をまとめて募集することがあるためです。自分の県だけでなく、隣接する県まで広げて探してみてください。
公園で出店するには何が必要ですか?
自治体への申請と許可が必要です。都市公園なら占用許可などの手続きがあり、名称も条件も自治体ごとに違います。 出店したい公園を管轄する役所か公園事務所に、数か月前に問い合わせてください。人気の公園は抽選になることもあります。
まとめ
- 募集中129件のうち、91%は常設。イベントは5件しかない
- 場所はスーパー64件・商業施設29件・学校23件で90%
- 探し方は6通りあるが、開業直後に現実的なのはマッチングサービスと直接交渉の2つ
- まず常設で1か所確保し、1日何食売れるかを記録してから条件で選び直す
- 地方でも募集はある。隣接県まで広げて探す
出店コネクトナビは、出店場所をさがすキッチンカーと、キッチンカーを呼びたい施設をつなぐサービスです。募集中の案件は、出店料・曜日といった条件が案件ごとに書かれています。出店料の金額は129件中95件に掲載しています(残る34件は応相談)。日程は「毎週火・木曜日」のような曜日で書かれているものが多く、決まっていないものもあります。出店料と細かい条件は、無料の会員登録をしてログインすると表示されます。 費用・書類審査・キャンセルの決まりなど、登録の前に確かめたいことは出店コネクトナビとはにまとめています。