書類・保険2026年9月28日

キッチンカーのインボイス対応は必要?登録が問われる場面と出店料の請求書

キッチンカーのインボイス対応は必要?登録が問われる場面と出店料の請求書

企業の敷地で開かれる社内のお祭りに出店が決まった。打ち合わせの終わりに、総務の担当者から「今回は会社でまとめて払うので、請求書に登録番号を入れてもらえますか」と言われる。来場者に1食ずつ売るだけのつもりだったので、何を聞かれているのかがすぐには分からない。

インボイス制度が始まってから、こうした場面に出会う出店者もいます。ただ、登録するかどうかは、誰に売っているかで答えが変わります。 全員が急いで登録すべき、という話ではありません。

この記事では、制度の一般的な仕組みと、出店コネクトナビの請求書・売上報告が実際にどう動くかを、分けて説明します(案件の数は2026年9月22日時点)。

先に結論です。

  • 登録は任意です。 登録すると、免税事業者だった人も消費税の申告が必要になります
  • 適格請求書を求められるのは、会社・主催者などの事業者が買い手になるときです。来場者への販売だけなら、請求書を求められることは基本的にありません
  • 公開中の289件で、募集要項にインボイス・登録番号・請求書を書いた案件は0件でした
  • 出店料を払う側としては、運営が出す請求書と領収書に、運営のインボイス登録番号を必ず載せています
  • 登録するかどうか、どの課税方式を選ぶかは、税理士か税務署に確かめてから決めてください

インボイス制度のうち、キッチンカーに関わるところ

制度の細部は国税庁の案内が正本です。ここでは、出店者が判断の入口で知っておきたい点だけを並べます。

登録は任意。登録すると課税事業者になる

インボイス制度(適格請求書等保存方式)は2023年10月1日に始まりました。適格請求書を出せるのは、税務署に登録した事業者だけです。

登録は義務ではありません。ただし、登録すると免税事業者であっても課税事業者となり、消費税の申告と納税が必要になります。 売上の規模によってはこれまで納めていなかった消費税を納めることになるので、登録は「念のため」で決めるものではありません。

なお、登録した小規模の事業者向けに、納税額を軽くする特例や経過措置が用意されています。どちらにも期限があり、見直しも続いています。 割合や期限は、申請の前に国税庁の最新の案内で確かめてください。

適格請求書を渡す義務は、事業者に求められたとき

登録した売り手は、課税事業者の買い手から求められたときに適格請求書を渡す義務を負います。

キッチンカーの売上の多くは、通りがかりの人や来場者への販売です。一般の消費者は仕入税額控除を受けないので、1食ごとに登録番号入りの請求書を求められることは基本的にありません。

同じ車の中に、8%と10%が混ざる

消費税の税率は、商品と売り方で変わります。

  • 飲食料品の持ち帰り:軽減税率8%
  • お酒:10%
  • 飲食の設備で食べてもらう「外食」:10%

キッチンカーの前にテーブルといすがあるとき、それが「飲食の設備」に当たるかどうかには判定の考え方があり、国税庁のQ&Aに示されています。設備を誰が用意したか、お客が使えるかなど、会場ごとに事情が違うので、ここで一律の答えは出せません。 迷ったら税務署か税理士に聞いてください。

売る側として、登録が問われる場面

では、出店者に「登録番号は?」と聞いてくるのは誰でしょうか。多くは代金をまとめて払う相手が事業者のときです。

会社がまとめて払う社内の催し

企業の社内ランチや社内のお祭りでは、社員が1食ずつ払う形のほかに、会社が費用を負担する組み方があります。企業の側から見た組み方は社食の代わりにキッチンカーを福利厚生にで紹介しています。

会社が払う場合、会社はその支払いを仕入税額控除に使いたいと考えるため、登録番号入りの請求書を求めることがあります。冒頭の場面がこれです。

ケータリングや主催者の買い上げ

撮影現場やオフィスへのケータリング、イベントの主催者がスタッフの食事として買い上げる場合も、買い手は事業者です。見積もりの段階で「インボイスは出せますか」と聞かれることがあります。

登録していないと断られるのか

免税事業者のままでも、取引そのものは法律上できます。相手が控除を受けられない分をどう扱うか(価格で調整するか、登録している別の業者に頼むか)は、相手との話し合いの問題です。

判断の材料になるのは、次の3つです。

  • 年間の売上のうち、事業者向けがどのくらいあるか
  • その相手から、登録を条件にすると言われているか
  • 登録した場合に増える消費税の負担と、申告の手間

数字を並べたうえで、税理士に相談するのが確実です。

払う側として:出店料の請求書で確かめること

キッチンカーの出店者は、売る側であると同時に、出店料を払う側でもあります(お金の流れはキッチンカーを無料で呼ぶ仕組みに書いています)。ここからは、このサイトの請求の仕組みを、実際の動きのとおりに書きます。

請求書と領収書に、運営の登録番号を載せている

出店料の請求は、運営の株式会社navから出店者へ出します。請求書にも領収書にも、運営のインボイス登録番号を必ず載せています。 受け取った出店者が仕入税額控除を使えるようにするためです。

本則課税で申告している出店者なら、この請求書を保存しておくことが控除の要件に関わります。簡易課税などを選んでいる場合は計算のしかたが違うので、扱いは税理士に確かめてください。

明細・締め・支払いの流れ

請求書は次のように作られます。

  • 明細は出店日ごとに1行。件名は「7月 ◯◯ 出店料 10%」のように、曜日つきの日付と率が入ります
  • 消費税は、明細の合計に10%をかけ、1円未満を切り捨てて上乗せします
  • 月末で締め、当月分は翌月1日を過ぎてから渡します。振込期限は、特に決めない限り翌月末日です。振込手数料は出店者の負担です
  • 振り込んだら、出店者が振込日と名義を報告し、運営が入金を確かめます。領収書は入金を確かめたものだけに出し、領収日は申告された振込日です

大きなイベントでは、固定の出店料を出店日より前に請求して出店を確定させ、当日の売上に応じた分をあとから別に請求する、2本立ての形をとることがあります。

請求書を消さず、取り消しの印で残す

発行した請求書に誤りがあったときは、データを消さずに「取り消し」の印を付けて残します。番号を使い回さないためです。適格請求書として出している以上、どの番号で何を請求したかをあとから追えるようにしています。

【実データ】募集要項と、売上報告の税の扱い

インボイスに触れた募集要項は、289件中0件

公開中の289件(募集中104件・募集終了185件)の募集要項で、「インボイス」「適格」「登録番号」「領収書」「請求書」の語を探したところ、書いている案件は0件でした。

応募の段階で登録番号を求める施設は、少なくとも要項の上では見当たりません。登録の要否が問われるのは、応募の場面より、前に書いた「事業者が代金を払う場面」だと考えるのが自然です。

一方、出店料そのものの税の扱いは、要項に書かれていることが多い項目です。「売上の10%+税」は実質11%になる、という読み方はキッチンカーの出店料の相場で、募集中の案件を数えた結果とともに説明しています。

歩合の計算元は、289件すべて「報告した売上のまま」

歩合の出店料をどの額にかけるかは、案件ごとに設定できます。報告した売上の額にそのままかける設定と、税抜に直してからかける設定です。

2026年9月22日時点の公開289件は、すべて「報告した売上の額のまま」の設定でした。売上報告ではレジの合計(お客様からお預かりした税込の金額)を入れます。そのため、率は税込の売上にかかります。 応募の前に、要項の「売上の◯%」がどの額を指すかを見ておくと、あとで計算が合わなくなるのを防げます。

8%と10%を分けて記録できる

売上報告では、軽減税率8%の売上と、標準税率10%の売上を分けて入力できます。 フードの持ち帰りは8%、お酒や物販は10%、というように混ざる出店のためです。

分けて入れても、出店料は合計額から計算するので、請求額は変わりません。内訳は自分の申告の控えとして残せます。画面には、出店料(税別)、消費税10%、請求額(税込)と、手元に残る額が並んで出ます。

よくある質問

インボイスに登録していないと、案件に応募できませんか?

応募はできます。出店コネクトナビで必須にしている書類は、運転免許証・食品衛生責任者証・営業許可証・損害賠償保険証書・PL保険証券で、登録番号は含まれていません(書類の一覧は出店に必要な書類)。公開中の289件の募集要項にも、登録を条件にした案件はありませんでした。

出店料の請求書は、どのタイミングで届きますか?

月末で締めて、翌月1日を過ぎてから渡します。振込期限は、特に決めない限り翌月末日です。入金を確かめたあとに領収書を出します。どちらにも運営の登録番号が入っています。

売上報告の金額は、税込と税抜のどちらで入れますか?

レジの合計、つまりお客様から預かった税込の金額を入れてください。税抜に直して計算する案件では、画面が自動で換算し、計算元の額を表示します。ご自身の申告で税込と税抜のどちらで記帳するかは、別に税理士と決めてください。

まとめ

  • インボイスの登録は任意。登録すると消費税の申告が必要になる
  • 登録が問われるのは、会社や主催者など、事業者が代金を払う場面
  • 公開中の289件で、募集要項にインボイスを書いた案件は0件
  • 出店コネクトナビの請求書・領収書には、運営の登録番号が入っている
  • 課税方式や登録の判断は、税理士か税務署に確かめる

出店コネクトナビでは、応募から売上報告、出店料の請求、入金の確認、領収書の受け取りまでを、同じ画面で追えます。会員登録は無料です。東京都の募集は東京都の出店場所から、全国の案件は出店場所の一覧から探せます。

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