
秋の市民まつりに、食べ物の出店をもっと増やしたい。公園の催しで、昼どきになると来場者が帰ってしまう。道の駅の週末に、もうひとつ賑わいの核がほしい。防災フェアに人を呼ぶ仕掛けがいる。
その答えが、キッチンカーの公募です。
テントも調理設備も要りません。キッチンカーは厨房と水回りを車に積んで会場に来ます。担当課・観光協会・商工会がやるのは、募集要項をつくり、選び、当日の配置を決めることです。
この記事では、公募の募集要項に何を書けばよいかを、出店コネクトナビがこれまでに扱ってきた公園・道の駅・イベントの実例とあわせて説明します(数字は2026年9月13日時点)。
先に結論です。
- キッチンカーは自治体の催しを一段強くします。 設営なしで食の出店が増え、出店料が運営費に回ります
- 公募で決めるのは5つ。募集期間・出店料・必要書類・選考・当日の運営
- 出店料の実例は、公園の催しでキッチンカー枠(3m×5m)5,000円、道の駅で売上の20%
- 出店コネクトナビの登録出店者は3,521店。出店者ページを公開している1,386店のうち、対応エリアに兵庫を入れている店が167店、京都が160店あります
自治体の催しにキッチンカーを入れる4つのメリット
設営なしで、食の出店を増やせる
屋台を並べるには、テント・机・火気・水回りの手配が要ります。キッチンカーは車そのものが店舗です。区画を用意すれば、そこがそのまま厨房つきの売り場になります。 台数を増やしても、主催者の設営の手間はほとんど増えません。
出店料が運営費になる
出店料は、出店者が会場を使うために払うお金です。キッチンカーを増やすほど、催しの運営費をまかなえます。 歩合にすれば売れた分だけ受け取る形になり、予算がつく前の催しでも始められます。この考え方はキッチンカーを無料で呼ぶにはにまとめました。
来場者が昼どきに帰らない
食べる場所があると、滞在時間が延びます。ステージの合間に行列ができ、その行列がまた人を呼びます。 食の選択肢が増えるほど、家族連れは午後まで会場に残ります。
防災イベントと組み合わせられる
キッチンカーは、水と調理設備を積んで自走できる「動く厨房」です。発電機を積んだ車両なら、電源の無い場所でも調理できます。防災フェアや防災訓練に並べれば、災害時に温かい食事を届ける手段を、そのまま市民に見せられます。 災害時の食事提供でキッチンカーの団体と協定を結ぶ自治体もあります。
【実データ】これまでに扱った公園・道の駅・イベント
出店コネクトナビでこれまでに公開した案件は、募集を終えたものも含めて306件です。そのうちイベント・お祭りの募集が46件、公園・道の駅・公共施設での募集が6件ありました。
公園・道の駅の実例
兵庫県と和歌山県の公園・道の駅で扱った募集の、出店料の書き方です。
| 場所 | 地域 | 出店料の形 | 募集要項の書き方 |
|---|---|---|---|
| 道の駅 | 兵庫県 | 歩合 | 売上の20% |
| 公園の催し | 兵庫県 | 固定(区画料) | キッチンカー(3m×5m)5,000円(同じ催しの屋台3m×3mは4,000円、ブース3m×3mは3,000円) |
| 公園の家族向けの催し | 和歌山県 | 固定 | 2,500円+税〜(別の回は3,500円+税〜) |
※金額はいずれも出店者が支払う額です。
道の駅は売上の歩合、公園の催しは区画ごとの固定という分かれ方です。兵庫県の公園の催しでは、キッチンカーの区画を3m×5mと広くとり、屋台やブースより高い額にしていました。道の駅では、空いている日を埋めるための追加の募集も出ていました。一度入れると、日を増やして続けられる場所です。
イベントの実例:出店料は「分けて」決める
各地のイベントの募集では、出店料をひとつに決めず、条件で分ける書き方が使われています。
- 駐車場の利用で分ける(兵庫県のまつり):駐車場を使う場合3,000円、使わない場合2,000円
- 業種で分ける(愛知県のマルシェ):テントブースの飲食販売5,000円、物販・ワークショップなど3,000円
- 歩合に上限をつける(愛知県のフリマ):売上の10%、上限500円
- 会期でまとめる(三重県の食のイベント):3日間で80,000円(税別)
分け方まで書いておくと、出店者は自分の払う額をその場で計算できます。 問い合わせが減り、応募が早く集まります。
公募で決める5つのこと
1. 募集期間:開催の3か月前に公示する
キッチンカーの週末の予定は、早い段階から埋まります。春と秋の週末は特に取り合いです。 庁内の決裁にかかる時間も見込んで、逆算して動きます。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 4か月前 | 募集要項の案をつくり、決裁を回す |
| 3か月前 | 公示(ウェブサイト・広報・募集サービスに掲載) |
| 2か月前 | 応募締切 |
| 6週間前 | 選考、結果の通知 |
| 1か月前 | 配置の決定。保健所・消防への相談と届出 |
| 1週間前 | 搬入時刻と配置図を全店に送る |
締切だけでなく、結果の通知日も要項に書きます。 いつ決まるか分かる公募には、出店者が安心して予定を空けます。
2. 出店料:形と金額を要項に明記する
決め方は、固定(1日・1区画いくら)、歩合(売上の◯%)、その併用の3つです。
- 事務を軽くしたいなら固定のブース料。売上の報告と集計が要りません
- 初めて開く催しや、道の駅のように日によって人出が変わる場所なら歩合。出店者が手を挙げやすくなります
歩合の率は、いま募集中の案件のうち歩合を含む52件で数えると、35件が10%で最も多い設定です。相場の全体像はキッチンカーの出店料の相場をご覧ください。税込か税別かも必ず書きます。
3. 必要書類:営業許可証・PL保険・検体検査
要項に並べる提出書類は次のとおりです。
- 営業許可証:開催地を管轄する保健所の区域で営業できるもの
- 食品衛生責任者の資格
- PL保険と損害賠償保険:開催日に有効な証券
- 検体検査(検便)の結果:求める場合は「開催日の◯か月以内」と期限まで書く
それぞれ何のために見るのかはキッチンカーの出店に必要な書類に詳しく書きました。
出店者の書類とは別に、主催者として動く手続きがあります。
- 保健所:食品を扱う催しとして事前に相談する。催し全体の届出を主催者に求める自治体もあります
- 消防署:火を使う露店を出す催しは、市町村の火災予防条例に基づく届出を確認する
- 公園・道路の管理者:公園での販売行為の許可。道路を使うなら警察の道路使用許可
日程が決まったら、真っ先に保健所と消防に相談を入れる。 これで後の段取りが一気に楽になります。
4. 選考:基準を先に公表する
公募で大事なのは、なぜその店を選んだのかを説明できることです。基準は要項の段階で公表します。
- メニューが重ならない(同じジャンルは◯台まで)
- 価格帯が催しの客層に合っている
- 書類がそろっている
- 市内・県内の事業者を優先する枠(設けるなら要項に明記)
応募が多いときは、ジャンルごとの抽選にすると公平です。
出店コネクトナビでは、応募してきた店のメニューと写真を見て選べます。出店者ページを公開している1,386店のうち、メニューを登録している店が645店、写真を登録している店が553店です。どんな車が来て、何をいくらで売るのかを確かめてから決められます。
5. 当日の運営:配置図と搬入時刻を1枚にまとめる
当日の混乱は、ほとんどが搬入と配置で起きます。配置図と搬入時刻を1枚にまとめて、1週間前に全店へ送る。 これが一番効きます。
- 車両のサイズと、停める区画の番号
- 発電機の向き(音と排気が休憩所に向かないように)
- ゴミの扱い(持ち帰りか、会場で回収か)
- 雨天時に決行・中止を判断する時刻と、連絡の方法
- 歩合なら、売上の報告方法と精算日
電源・配置・天候対策の細かい段取りはイベントにキッチンカーを呼ぶにはにまとめています。
兵庫・京都、地方の催しにも呼べる店がそろっている
「地方の催しに、キッチンカーは来てくれるのか」。出店者ページを公開している店の対応エリアを見れば、その心配は要りません。
出店コネクトナビの登録出店者は3,521店、そのうち出店者ページを公開しているのが1,386店です。この1,386店のうち、対応エリアに入れている店が多い上位10の都府県は次のとおりです(1店が複数のエリアを選べるため、合計は1,386店を超えます)。
| 対応エリア | 店数 |
|---|---|
| 東京 | 765店 |
| 埼玉 | 548店 |
| 神奈川 | 545店 |
| 千葉 | 468店 |
| 大阪 | 288店 |
| 茨城 | 277店 |
| 群馬 | 204店 |
| 栃木 | 176店 |
| 兵庫 | 167店 |
| 京都 | 160店 |
出店者ページを公開している1,386店のうち、兵庫県の催しなら167店、京都府なら160店が候補です。 首都圏に限らず、県単位の催しで台数をそろえられる母数があります。
募集から当日の運営まで、まとめて任せられる
担当者の手が足りないときは、形を選べます。
- 自分で募集する:掲載料・登録料・成約手数料はかかりません
- 運営を任せる:出店者への声かけ、条件のとりまとめ、当日の運営、書類の確認と申請の代行まで。費用は台数と会場の条件をうかがってお見積りします
イベントでの手配はイベントのキッチンカー手配、費用の目安はキッチンカーを呼ぶ費用と料金相場にあります。
「開催日は決まっているが、何台入るか分からない」「公募の要項をどう書けばいいか見てほしい」。その段階からご相談いただけます。