
月極を解約した区画が3台ぶん空いている。建て替えまで2年、更地のまま。店舗の裏に使っていないアスファルトがある。
そのスペースに、キッチンカーを入れられます。
工事は要りません。設備投資も要りません。空いている区画と、人が通る条件さえあれば始められます。この記事では、実際に何を決めればよいのかと、どのくらいの収益になるのかを、出店コネクトナビの実データから説明します。
先に結論です。
- 掲載は無料。出店者が決まってから費用の話になります
- 決めることは4つだけ。場所・曜日・出店料の形・ジャンル
- 出店料は歩合(売上の%)でも設定できます。募集中110件のうち43件が歩合のみで、持ち出しは0円です
- 出店コネクトナビの登録出店者は3,521店。出店者ページを公開している1,386店のうち、東京765店・埼玉548店・神奈川545店・千葉468店が対応エリアに入れています
空きスペースでキッチンカーが成り立つ理由
キッチンカーは、車そのものが店舗です。厨房・電源・給排水・冷蔵設備を積んで走ってきます。
つまり、貸す側が用意するものは区画と、そこに人がいる理由だけです。テナントを入れるときのような内装工事、給排水の引き込み、区画の仕切り——どれも要りません。
これは遊休スペースと相性がよい条件です。建て替えまでの2年、月極が埋まらない数区画、催事のない平日の店先。期限があっても、面積が小さくても成り立ちます。
出店コネクトナビで募集中の110件のうち、99件が常設です。単発のイベントは11件しかありません。一度条件が決まると、続く形が主流になっています(2026年9月12日時点)。
決めることは4つ
1. 場所の条件
必要なのは、キッチンカー1台が停まれる区画です。
1tトラック型で約3.5m×6mが目安になります。軽自動車を改造した車両ならもっと小さく収まります。区画の広さと、車両が入ってくる経路(入口の幅と高さの制限)を確認してください。
電源は、あれば喜ばれますが必須ではありません。多くの車両が発電機を積んでいます。給排水も車載です。用意できるものと、できないものを最初に伝えれば、それに合う車両が応募してきます。
2. 曜日と時間
「毎週水曜の11時から14時」のように決めて募集します。まとめて1か月ぶんの日程を登録することもできます。
人が通る時間帯に合わせるのが基本です。住宅地なら夕方、オフィス街なら昼、商業施設なら土日。
3. 出店料の形
ここがいちばん聞かれるところです。出店料の決め方には3つの形があります。
| 形 | 内容 | 募集中の件数 |
|---|---|---|
| 固定 | 1日あたり決まった額 | 52件 |
| 歩合 | 売上に対する割合 | 43件 |
| 併用 | 固定+歩合 | 9件 |
歩合を選べば、貸す側の持ち出しは0円です。 売れなければ発生せず、売れたら分け合う形になります。
率の設定は、歩合が含まれる案件52件(歩合のみ43件と併用9件の合計)で数えると、35件が10%でした。15%が13件、20%が4件で、10%が最も多い設定です。
固定額で決める場合、募集中の案件では平日・週末とも1日5,000円が中央値です。平日の下限は3,000円、週末の下限は4,500円でした。
どちらがよいかは、人の通り方で変わります。売上の読みが立たない場所なら歩合、確実に人が通る場所なら固定が向きます。迷ったら「応相談」で出すこともできます(募集中6件がこの形です)。
4. どんなジャンルを入れるか
出店者ページを公開している1,386店のジャンルは次のようになっています。
- 食事 603店
- スイーツ 512店
- ドリンク 478店
- 物販 36店
同じ1,386店のうち、2つ以上のジャンルを持つ店が525店あります。「食事とスイーツの両方」のように、時間帯で売り方を変えられる車両です。
登録されているメニューは3,695件で、そのすべてに価格が入っています。写真つきのメニューは2,834件です。応募が来たときに、何をいくらで売る車なのかを事前に見て決められます。
応募が集まりやすい条件
同じような場所でも、条件の書き方で応募の集まり方が変わります。募集中の案件を見ると、次の傾向がありました。
税の扱いを書いておく。 募集中110件のうち72件が、出店料の税の扱いを明記しています。「5,000円(税込)」「売上の10%+税」のように書いてある案件です。出店者にとっては手元に残る額が変わるので、書いていないと問い合わせが1往復増えます。決めて書いてしまうのが早いです。
固定と歩合を混ぜるのは、大きい施設向け。 併用(固定+歩合)は9件ありますが、そのうち8件が商業施設です。単独の空きスペースで始めるなら、固定か歩合のどちらかに絞るほうが条件が伝わりやすくなります。
続けられる形にする。 募集中110件のうち99件が常設です。「まず1回」でも構いませんが、出店者は仕入れと人の手配をして来ます。続く見込みがあると分かると応募が集まりやすくなります。 「毎週水曜」「第2・第4土曜」のように決めて出すのが定石です。
収益の見方
歩合10%で、1日の売上が5万円だったとします。その日の出店料は5,000円です。週1回なら月に約2万円、週2回なら約4万円。
固定5,000円/日で週2回なら、月に約4万円です。
月極駐車場の1区画の相場と比べると、1区画でその水準に届く計算になります。しかも月極と違い、営業していない時間は区画が空いているので、平日の日中だけ貸して夜は別の用途に使う、といった組み方もできます。
もうひとつ見落とされやすいのが、人が集まること自体の効果です。店舗の前に貸す場合、キッチンカーの客がそのまま店に入ります。集合住宅なら住民向けの便益になります。出店料だけが収益ではありません。マンションや団地の敷地で始める場合の決め方はマンションにキッチンカーを誘致する方法にまとめています。
商業施設やオフィスビルで実際にどう効いているかは商業施設・オフィスビルにキッチンカーを導入する効果にまとめています。
どんな場所で動いているか
いま募集中の110件を場所の種類で分けると、次のようになります。
- スーパー・食品店 35件
- 学校・専門学校・大学 31件
- 商業施設・モール 29件
- イベント・お祭り 6件
- オフィス・事業所 5件
上位3つはいずれも「すでに人が通っている場所」です。買い物に来る、通学する、館内を歩く。そこに食べるものが無かった、あるいは選択肢が少なかった場所に入っています。
お持ちのスペースが人の流れに面しているなら、同じ形が組めます。逆に人通りが無い場所の場合は、単発のイベントと組み合わせるほうが現実的です。周辺の催しに合わせて出店者を集める形です。
出店料の決め方をもっと詳しく知りたい場合はキッチンカーの出店料の相場、スーパーの駐車場に特化した条件の組み方はスーパーの駐車場にキッチンカーを誘致するにはをご覧ください。
始め方
掲載は無料です
募集を出すこと自体に費用はかかりません。会員登録も無料で、登録料や初期費用もいただいていません。
出したい条件(場所・曜日・出店料・募集するジャンル)を入力すると、募集ページとして公開され、出店場所を探している出店者が見て応募してきます。
応募が来たら選べます
応募が来ると、その出店者の情報を見て判断できます。屋号、扱っているメニューと価格、車両のサイズ、営業許可証と保険の提出状況。出店者ページを公開している1,386店のうち、写真を登録している店は553店あり、どんな見た目の車が来るのかを事前に確認できます。
断ることもできます。合わないと思えば不採用にして構いません。
運営が間に入ります
出店者の募集、条件のやり取り、当日の連絡は運営が窓口になります。個別に何件もメールをやり取りする必要はありません。
書類(営業許可証・PL保険・検体検査)の確認も運営が行います。何を確認しているかはキッチンカー出店に必要な書類にまとめています。
契約と近隣の確認
始める前に確認しておくことがいくつかあります。契約書に入れる項目、賠償の範囲、ゴミの扱い、近隣への説明、雨天時の扱い。
駐車場を貸す場合に必要な手続きは駐車場をキッチンカーに貸すにはに、曜日と時間帯の決め方は定期開催の曜日と時間帯の決め方に分けてまとめました。
まず相談から
日程が固まっていなくても、条件が決まっていなくても構いません。
「こういうスペースがあるのだが、キッチンカーは入るか」という段階でご相談いただけます。広さと場所と、人の通り方をお聞きすれば、成り立つかどうかと、どの形が向くかをお伝えします。
会員登録は不要です。ご相談は無料です。